DV防止法保護命令闘争記
異議あり保護命令!
聖世弁護士は老いてしまいました。
なにか今の若い裁判官や弁護士にはついていけないという思いがあって、もうかなり前から離婚事件や男女関係にかかわる事件は依頼があっても断り続けてきました。
しかし、今回相談を受けた件はそれほど深刻でないと思いました、自分が仲介して話をすれば、離婚するにしても・元の鞘に収まるにしても、できないことはないと思うような事件の相談でした。
突然、保護命令申立書と審尋期日の指定が依頼者Aに届きました。聖世弁護士は話し合いができると思ってBさん(Aの奥さん)に打診して待っていたときです。Bさんも話をしたいと聖世弁護士に連絡をくれていたからです。
聖世弁護士、DV防止法の保護命令申立というのは初めてです。「配偶者暴力等に関する保護命令申立事件」、なんじゃこりゃ?
正式名称が「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」とか。わかりやすそうでわかりにくい。もっと簡単で表示しやすい名称の法律にできなかったのかね。
小形の六法では一部しか載っていません。ネットで調べると、条文が長々していて準用がやたらと多い、しかも条文数も結構多い法律のようです。
ともかく、対応しなければなりません。こんな事件、今更誰かに頼むわけにもいきませんが、少し情報を得たいとあたってみると、オフレコだけれど加害者側の代理人にはならない方がいいような情報ばかり。DVの加害者側代理人には報われる仕事なんてないとか。まさかと思います。
そして、実際にやってみて、よくわかりました。加害者は悪者と既に認定されているのですから、今更弁解しても聞いてもらえないのです。刑事弁護とは全然違いました
そして、これまでの感覚では追っつかないことを思い知りました。日頃思っていることですから仕方ないですが、それにしても、これでいいのでしょうか。
DV防止法については、むしろ逆の意見ばかりが目につきます。
いわく、被害者保護に十分でない、保護命令に時間がかかる、申立人の意見を聞いてくれない、裁判官は被害者の訴えに冷淡、命令を出すのにハードルが高い等々。
本当にそうなんでしょうか。
今回、聖世弁護士が経験したところでは到底そうは思えません。なんだろ、これは?
いまどき、この法律や制度についてこんな批判的なことを言えば集中砲火を浴びそうですが、聖世弁護士は異議を申し立てます。
続く → 1 退去命令は残酷