弁護士が税金に弱いというのが通説だと思っていましたが、本当でしょうか。たしかに、ぼくも税務に関する知識がないことを若い時に痛感したことが税法を勉強するきっかけでした。弁護士の仕事、特に民事事件を扱っていると、税法を知らないことが怖くなりました。
そのうちに、税法にのめり込んでしまって、税法を得意とする弁護士が少なかったこともあって、なんとなく特異な存在になってしまって、弁護士会の研修会だけでなく、税理士や会計士、司法書士などの業界からも研修の講師によばれるようになっていきました。
弁護士の研修会などで、事件処理にかかわる税法の講演をするときは聴講者も比較的多かったように思います。関心が高いのは、弁護士が税務処理に関して自信がない裏返しだと思っていました。
しかし、弁護士は税法について自信がないと、一般論としては言えるとしても、日常の事件処理について不安に思っているのかというと、どうも、そうではなさそうです。
実際、日常業務で課税が心配な場合は、調べることができます。ひと昔前と違って、現在は弁護士向けの税法参考書は結構あります。さらに、税理士に訊くこともできます。個々の弁護士又は事務所が特定の税理士と業務のうえでつながっているのは普通です。
ただ、そういう事情だけではないようにも思います。
税法を気にしくても日常の仕事はできる、と弁護士は思っているのではないでしょうか。
それで差し支えないのならいいのですが、このあたりを実際の相談例などで継続的に検討してみたいと思います。
コメントをお書きください