最新作です!
大人になり切れない少年の前に大人の女になったおまえは現れた。女は心変わりを謝ることも言い訳することもしない。彼氏がいることを自慢し、少年にも新しい恋をしろという。変わらないとの誓いを一途に守ってきた少年に女は変わればいいと大人の説教をする。
大人になった「ぼく」だが、何年たってもあの日、あの一言を思い出せば幸せになれる。女もあの日を忘れたことはないだろう。忘れたいのに忘れられないにちがいない。同じ思い出なのに、ぼくには至福の時をもたらし、女には屈辱の記憶を呼び起こす。それでも偶然は二人の出逢いを演出する。
今も忘れない女のあの一言。女は憶えているだろうか。