和解の利点と税金
和解は、取り決められた約束が履行される可能性が大です。実務家が判決に優っていると実感するのはこの点です。
和解協議の中核は、履行が期待できる内容、執行が法的に担保されている条項の形成にあります。そのため、税金のことは二の次扱いになる傾向があります。これが課税リスクの温床です。
税金のことを考えますか?
税金のことを考えないで和解をすればプロ失格です。
税金を恐れるのは健全な感覚です。
今時、税金に配慮しないで和解する弁護士はいません。ただし、税金のことを考えないで相談の回答をする人はいます。後で恨まれたり、避難される可能性があります。
税金の何を恐れますか?
① 和解による新たな課税
② 想定外の課税
③ 予定した税効果(減額)の有無
①ですが、税金を意識すれば課税は予期できます。恐れることはありません。法的成果の結果として受け入れるしかないものもあります。予期しない課税が②です。恐れるとすればこれです。想定できなかった理由が問題ですが、リスク意識を持っていれば、かなりの範囲で避けることはできます。③減税効果・課税回避を期待する和解は、どちらかと言えば期待が裏切られるのが普通です。小細工をしないで、無用な課税を避けることの方が肝心です。
不安を払拭するには
課税リスクを正確に認識することです。
和解による税額の増減は事前に察知できます。
税効果(減額・還付)期待の和解
訴訟上の和解であることに期待しても無駄です。
和解文言は重要ですが、文言で課税回避はできません。
しかし、文言で課税されるリスクはあります。
税法を軽視する(ナメル)な!
当事者は、和解条項の作成にあたって、課税リスクを常に意識する緊張感が必要です。
税金のミスは、傷(金額)が大きく、救済が難しいものです。税法をナメルと大怪我をすることがあります。しかし、過度に税金を恐れる必要はありません。課税の問題があることに気が付けば対応は可能です。気付かないことが危ないのです。 わ
和解の法理と税務V1.7/和解の税法講座/和解を担う弁護士の税金不安 より